〒420-0845
静岡市葵区太田町12-6 仲野ビル4階
営業時間 (8:30‐17:30)
9月に開業してから、がん末期患者さんと二人、出会いました。
ひとりは、今年8月に肺がんの症状があり、受診し検査したら肺がん末期状態で根治的治療の対象ではないという方でした。ご本人がとてもショックを受けられたのではないかと想像します。訪問看護とつながったのは、9月初旬。子供たちが在宅看取りを決心し退院になりました。初回は夜間帯で往診同行も兼ねました。
訪問前も訪問時も鼻から血が出るほど吸引されていて、電気がこうこうとついていて、これから眠るという状況ではありませんでした。電気を消して眠る準備をととのえ、ご本人に呼吸が楽な姿勢をうかがい、その姿勢のまま衣服の上から手のひらを密着させてゆっくりと優しく背中をなぜました。
「あー、気持ちいい」そう一言おっしゃいました。
暖かい手の温度とf分の1の揺らぎと言われるゆっくりとしたマッサージは、副交感神経を優位にします。
その5時間後、お亡くなりになりました。
ご家族は、もっと早く家に連れて帰ればよかったとおっしゃいました。車いすも借りてあり、俺が乗ってもしかたないかと言いながら・・・
もうひとりは、膵臓がん末期の方で、依頼があったので準備していました。しかし、症状コントロールがついていない状況だったようで、緊急で受診し入院。腹水を4L抜いた後、状態が不安定になり、まもなくお亡くなりになりました。
訪問看護は、がんの患者さんが外来で治療を受けているお元気な時期から利用できます。がん患者さんの痛みには、身体面・精神面・社会面・スピリチュアル面の痛みがあると言われています。看護師は、これらをアセスメントしながら、医師と連携して痛み止めの管理をしたり、非薬物療法としてのケアを提供します。早めにつながることができれば、在宅療養を安心して安全に過ごすための調整を他の職種と支援することができます。
がん患者さんともっと早い時期につながることができればと願います。
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